ACTとは Acceptance and Commitment Therapy(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の略称で、マンドフルネス認知療法や弁証法的行動療法と共に第三世代の認知行動療法と呼ばれる心理療法です。
ACTは心理療法のひとつですが、病的症状を直接的に治療しようとはしないのが特徴です。その代わりに、クライエントが「価値に沿った自分らしい人生」、「豊かで充実した意義のある人生」を送ることができるように手助けをします。病的症状は、クライエントが価値に沿った自分らしい人生に向けて歩みだすことの副次的効果として、自ずと軽減されていくと考えるのです。
右図はACTのヘキサフレックス(6つのプロセス)です。一見難しく見えますが、プロセスは大きく二つに分けることができます。
ACTでは、人生の質を決めるのは、価値に導かれたマインドフルな行動ができるかどうかにかかっていると考えます。そして、どれだけ多くの困難や症状を抱えていても、それに対してマインドフルに対応している限り、そのような行動をとることは可能であると考えています。
ACTにおける価値とは自分は人生でこれをやりたい、これを大切にしたい、いつもこんなふうに行動したい、ということを「短い文章」にしたものです。以下のような特徴があります。
ACTのアプローチは、単なる心理療法に留まるものではありません。ACTは「価値に導かれて、マインドフルに生きる」という、ひとつの「生き方」、言い換えれば「人生哲学」を提案しているのです。